「ナンバーガールはシューゲイザーなのか?」という疑問を時折見かけます。

オルタナティブ・ロックと呼ばれることはあれど、絶叫テイストが強く、ナンバーガールをシューゲイザーと呼ぶのは無理があるように感じました。

ただし、1stアルバム『SCHOOL GIRL BYE BYE』収録の『水色革命』は、シューゲイザーバンドの影響があるかもしれません。

 

今回は、『水色革命』を中心に、ナンバーガールをシューゲイザー的に解釈しました。

もしシューゲイザーというジャンル自体がわからない方は、まずはこちらをご覧いただくとより面白く読めると思います。

90年代の英国シューゲイザーバンドまとめ

 

『水色革命』とライド(Ride)

2拍おきにコードチェンジを行うイントロのギターフレーズは、ライド(Ride)の1stアルバム『Nowhere』収録の『Kaleidscope』と同じ動きです。

確かに、キラキラした質感やドラムの詰め込み方、楽曲の構成など似ている点を感じます。

1991年発売の作品なので、向井氏が高校生くらいの時期に聴いていたとしても不思議ではありません。

 

ちなみに、『水色革命』は向井秀徳氏が入り浸っていたクラブでジントニックを飲んでいたら、そのグラスがブラックライトに当たって水色に光った……そのグラス越しに遊んでいる若い女性をうらやましく思ったという話があるようです。

個人的な妄想ですが、ライドの同アルバムのジャケットが水色なので、そこにひっかけているのではないかと考えてしまいます。

『サーティーン』とシューゲイザー

シングル『I don’t know』収録のインストナンバー。

少し強引な紐づけかもしれませんが、両耳に飛び交うギターノイズや叩きつけるようなドラミングもライドの同アルバム『Seagull』的かもしれません。

逆説的ですが、『サーティーン』のトレモロ的なイントロのギターフレーズは、ナンバーガールの影響を受けたと公言するきのこ帝国にも通ずるものがあるように感じます。

初期のきのこ帝国はシューゲイザー色の強いバンドだったので、このあたりの関連性も想像すると面白そうです。

向井秀徳氏とシューゲイザー

向井秀徳氏とシューゲイザーについてもう少し掘り下げると、「ペイル・セインツ(Pale Saints)の1stアルバムは好き」という主旨の発言があるようです。

 

ペイル・セインツの1stアルバムと言えば『The Comfort of Madness』(邦題:狂気の安らぎ)のことを指します。

インターネットをたどっていくと、向井氏の影響でペイル・セインツを、逆に彼らの影響でナンバーガールを聴いたという人を何人か見かけました。

 

ペイル・セインツと言えばピクシーズが所属するレーベル・4ADのバンドです。

今と違って、インターネットでおすすめバンドが簡単に見つかる時代ではありません。

向井氏はレーベル買いなどをしてペイル・セインツを聴いていたのではないでしょうか。

1990年代前半はシューゲイザー全盛期なので、純粋に雑誌でプッシュされる人気バンドとして聴いていた可能性もあります。

 

また、ナンバーガールは、多くのシューゲイザーバンドの祖であるソニックユースの影響を受けています。

したがって、ソニックユースから分岐した別ジャンルのバンドと考えるのが自然でしょう。

ナンバーガールとソニックユースの共通点

ナンバーガールはシューゲイザーではない

初期ナンバーガールは、キラキラしたギターサウンド、強烈なノイズパート、ミックスバランスの小さいボーカルなど、シューゲイザー的な要素もいくつか感じさせます。

他にもテレキャスタージャズマスターというフェンダー(Fender)ギターの組み合わせ、女性ギタリストなど、コピーだけ付けるとそれっぽいかもしれません。

 

しかし、ナンバーガールをシューゲイザーと呼ぶのは少し不自然かと思います。

「このシューゲイザーバンドの影響を感じさせるな」と思いながら聴いてみるとよいでしょう。